金曜日の通知が、111件だった。
月曜44件、火曜35件、水曜22件、木曜38件。そこへ金曜の111件が乗って、週合計は250件になった。先週は173件だったから、77件増えている。
増えた分がどこから来たのかを見ると、偏りがはっきりしていた。
週の内訳
保有目的のラベルごとに数えると、こうなる。
その他 84件(先週58件) 純投資 60件(先週61件) 在庫・運用 59件(先週10件) 政策・取引 21件(先週15件) 重要提案 15件(先週23件) 経営参加 10件(先週 6件) 非公開化 1件(先週 —)
在庫・運用が、10件から59件になっている。しかもそのうち45件が金曜1日に集まっていた。
提出者を並べると、さらに絞られる。野村證券が22銘柄に22件。ブラックロック・ジャパンが12銘柄に12件。三井住友トラスト・アセットマネジメントが11銘柄に11件。この3社だけで45件になる。
1日で22銘柄。何をどれだけ買ったのだろう、と思って原本を開いた。
書式が違った
表紙の書類名が、いつもと違っている。
【提出書類】 変更報告書(特例対象株券等)
一般の大量保有報告書とは別の書式で、機関投資家などが使う簡略なものだ。根拠になる条文も違う。
そして、開いても知りたいことが書いていない。
いつも見ている報告書には、直近60日間の取得と処分が日付ごとに並ぶ欄がある。何月何日に何株、市場内か市場外か、単価はいくらか。先週この通知で追いかけた光通信の11通も、その前のビープラッツの3通も、あの欄を読んで書いた。
特例の書式には、その欄が無い。
取得資金の欄も無い。いつ買ったのか、いくらで買ったのか、書類のどこにも書かれていない。
では、なぜ出ているのか
提出事由の欄を見た。3通ぶん引く。
日産化学(4021)にブラックロック・ジャパンの変更報告書No.1。
・重要な契約における消費貸借契約に基づく貸付割合が1%以上増加したこと
株を貸した割合が1パーセント以上増えたから、と書いてある。
SHIFT(3697)に三井住友トラスト・アセットマネジメントの変更報告書No.27。
担保契約等重要な契約の変更
一行だけである。
・共同保有者の減少 ・ノムラ インターナショナル ピーエルシーの株券等保有割合の1%以上の減少 ・1%以上の重要な契約の締結または変更
3つ並んでいるが、どれも全体の保有割合が動いたという話ではない。
3通とも、割合が動いたから出た報告書ではなかった。
数字が動かないのは、そういうことだった
今週の在庫・運用59件のうち、変更報告書は50件。その50件の増減を並べると、19件が1ポイントに届いていない。
いちばん小さいのが、さきほどのSHIFTと野村證券の+0.03である。住友林業が▼-0.12、良品計画が▼-0.16、レゾナックが▼-0.19。
そして50件のうち16件は、保有割合が5パーセントを割っている。4.93%、4.76%、3.50%。大量保有報告書は5パーセントを超えたときに出るものだが、下回ったあとも報告は続く。
通知の画面では、これらは他の報告書と同じ一行として並ぶ。銘柄名があって、提出者名があって、割合と増減の矢印がある。並びだけ見れば、毎日少しずつ買い増している報告書と区別がつかない。
59件のうち、注目の動きに入ったのは0件
Martifyの通知には、上のほうに⭐注目の動きという枠がある。その日の報告書から最大5件を選んで置く欄で、金曜も5件出ていた。
在庫・運用の45件は、そこに1件も入っていない。
入らないように作ってあるからだ。在庫・運用は、⭐の共通除外に入れてある。純投資だけの報告書や、すでに50パーセントを超えている報告書と同じ扱いにしている。
理由は単純で、入れると埋まるからである。金曜のように45件届く日は、⭐の5枠がすべて在庫・運用で占められる。ほかの動きが1件も見えなくなる。
ただ、これは「在庫・運用は重要でない」という判定ではない。毎日届くメールの先頭に何を置くか、という設計の都合にすぎない。除外した45件の中に読むべき一通があっても、⭐は教えてくれない。
ラベルの名前は、原本から来ている
在庫・運用という言い方は、こちらで考えたものではない。
野村證券の保有目的欄には、こう書いてある。
証券業務に係る商品在庫として保有している。
同じ報告書に連名で入っている野村アセットマネジメントは、こうだ。
信託財産の運用として保有している。
商品在庫と、運用。二つを並べて短くしたのが、あのラベルになっている。
ただし、いつも一致するわけでもない。同じラベルがついた日産化学のブラックロック・ジャパンは、保有目的欄が「純投資」という言葉から始まっていた。ラベルは通知を読みやすくするための目印であって、原本の言葉と一対一ではない。
ラベルが1つ増えた
最後に、集計そのものについて書いておく。
先週まで、保有目的のラベルは6つだった。今週から7つになっている。増えたのは「非公開化」で、今週は1件ついた。
だから上に並べた先週との比較は、今週にかぎって読み方に注意がいる。その他が58件から84件に増えているが、この26件の中身と、新しいラベルに移った分の境目は、まだきれいに引けていない。数えるものが変わると、比べられなくなる。
先週、ビープラッツの3通について書いたとき、用意しているラベルは6つだと書いた。その6つが7つになった、というのが今週の変化になる。