水曜の通知を開いたら、同じ名前が九回並んでいました。
太陽誘電(6976)と、Situational Awareness LP。この日の報告は41件で、そのうち9件が、この一つの組み合わせです。四分の一近くが同じ二つの名前で埋まっている。
数字だけ抜き出すと、こうなります。
16.61 / 15.22 / 13.75 / 11.62 / 9.47 / 8.13 / 6.42 / 5.99 / 4.41。
九つの割合が、同じ銘柄の、同じ保有者について並んでいる。ここで足し算をしたくなる気持ちは分かりますが、足しても意味のある数字は出てきません。では、この九つはどういう関係にあるのか。
表紙に、番号が振ってありました
原本を開くと、答えは表紙に書いてありました。
一件ずつ開くと、変更報告書 No.1、No.2、No.3……と、No.8まで続いている。**九件のうち一件は新規の大量保有報告書で、残る八件には通し番号が振られていました。**順序は推測するものではなく、最初から明記されているものだった。
番号のとおりに並べ直すと、こうなります。
5.99(新規)→ 8.13 → 6.42 → 9.47 → 11.62 → 13.75 → 16.61 → 15.22 → 4.41
各報告書の「直前の報告書に記載された株券等保有割合」も、前の一件とすべて一致しました。5%を超えて現れ、増減を繰り返しながら16.61%まで積み上げ、最後に10ポイント以上を落として4.41%。5%を割ったところで、この保有者の報告義務は終わります。
つまりこの九行は、ある保有者が見えるようになってから見えなくなるまでの記録です。
いちばん最初の一件は、下から二番目にありました
ここで、Martifyの表示について正直に書いておきます。
件数が多い日、通知は保有割合の高い順に並びます。そうすると、この九行はこう並ぶことになる。
一番上が16.61%。鎖の途中です。そして起点である新規の5.99%は、九行のうち上から八番目。終点の4.41%が最後に来ます。
起きた順と、並んだ順が一致していない。上から読んでいくと、途中から始まって、最初に戻り、最後に飛ぶことになります。原本には No.1 から No.8 までの番号が書いてあるのに、通知はその番号を出していません。番号さえ見えていれば、並び順がどうであれ順序は復元できたはずでした。ここは考えているところです。
つながりは、日もまたぎます
一日の中だけの話ではありませんでした。
データセクション(3905)×FIRST PLUS FINANCIAL HOLDINGS 水曜に 57.73%(▼-2.21)。木曜に 56.62%(▼-1.11)と 55.51%(▼-1.11)。
データセクション(3905)×アースエレメンツ・キャピタル 同じ銘柄の、別の保有者。水曜に 10.79%(▼-4.33)、金曜に 8.62%(▼-2.17)と 13.85%(▲+5.23)。減ってから、増えています。
金曜の二行も、通知では13.85%が上、8.62%が下です。増減の幅から見るかぎり、先に起きたのは下にあるほうでした(こちらは原本まで当たっていないので、通知の表示から見た並びです)。
一行だけを見て「減った」と受け取ることも、「増えた」と受け取ることも、どちらもできてしまう。一行は、鎖の一節です。
それで、この鎖はいつの話だったのか
ここまでは順番の話でした。もうひとつ、表紙に書いてある欄があります。報告義務発生日です。
九件を並べると、こうでした。(すべて提出日は8月12日)
いちばん古い一件は、6月29日です。
大量保有報告書も変更報告書も、提出期限は報告義務が発生した日から5営業日以内と決まっています。この九件は、そのすべてが8月12日に出ている。
そして60日間の取得処分欄には、6月23日からの売買が日付単位で並んでいました。終点は8月3日、14,641,148株を単価9,963円45銭で市場外処分。15.22%から4.41%へ落ちたのは、この一回です。
**6月の終わりから8月の頭まで、この保有者は買って、売って、また買って、最後に大きく降りていました。8月12日まで、この保有者については、EDINETに一行も出ていません。**すべてが終わった九日後に、九件がまとめて現れた。
なぜ8月12日にまとまったのか、理由は書類のどこにも書かれていません。提出事由の欄はどれも「1%以上増加したため」「1%以上減少したため」で、遅れについては何も書いていない。訂正報告書でもありませんでした。
分かるのは、日付だけです。
次に同じ並びを見たときのために
今週のことを、手順の形にしておきます。
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同じ銘柄・同じ提出者の行が複数あったら、足さない
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原本の表紙で、変更報告書の番号を見る
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番号がなければ、各行の増減幅を使って前回割合でつなげてみる
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並び順は割合の順で、時間の順ではない
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報告義務発生日と提出日を見比べる。同じ日に届いた書類が、同じ日の出来事とはかぎらない
以前、報告義務の発生から提出まで三営業日かかった例を書いたことがあります(→「ストラテジック三営業日回」)。あのときは、届くのが少し遅いという話でした。今週見えたのは、その遅れがもっと長くなると何が起きるか、という話だったのかもしれません。
九行を一本に戻すのに、特別な道具は要りませんでした。必要だったのは、九行が同じ日に、同じ場所に、全部そろっていることだけです。